30 Sep 2017

日本人は語尾Nの発音ができていない!
日本語訛りの英語の原因として母音の付加やアクセント、子音産生時の呼気、シュワなど紹介してきましたが、語尾/N/の発音も大きな原因となっています。
日本語の「ん」
日本語の「ん」には主に3つ発音の仕方があります。
- 口を閉じて発音する
- 奥舌が口蓋に接して発音される
- 前舌が上顎歯茎に接して発音される
1.口を閉じて発音する
さんまやトンビ、散歩など、「ん」の後続子音が両唇音m,b,pの場合、「ん」は口を閉じて発音します。
また、ご飯、布団、マラソンなど語尾が「ん」の場合は多くの場合、口を閉じて「ん」と言います。これが英語にとっては曲者なのです。
2.奥舌が口蓋に接して発音される
マンガやあんこ、判子など「ん」の後続子音が奥舌音k,gの場合、「ん」は奥舌と口蓋との接触によって発音されます。
3.前舌が上顎歯茎に接して発音される
パンダや洗濯、寒天、寒暖、散乱など「ん」の後続子音が舌尖音t,d,n,rの場合、「ん」は前舌と上顎歯茎との接触によって発音されます。
英語の語尾がNの単語の発音を/m/と発音してしまう!
1.で述べたように、日本人は語尾Nの時、口唇を閉じて発音してしまう傾向があります。ですが、英語のnはパターン3のように、舌尖と歯茎で発音されます。
then の語尾は/n/ですので前舌が歯茎に接するはずですが、これを日本語の「ん」と同じよう口唇を閉じて発音してしまうと、them になってしまいます。これでは全く別の単語になってしまいます。
特にカタカナ語になっている単語は要注意です。pen, ten, open, golden,などは知らないうちに口唇を閉じて発音しているでしょう。
まとめ
いかがでしたか?ちゃんと舌で/n/の発音ができていましたか?
自分の発音の癖はなかなか気づけないものです。私はフィリピン人英語講師に指摘されて初めて気づきました。指摘されても初めは何を言っているのわかりませんでした。無意識に口を閉じて発音していたのです。それからは意識して発音するようになりました。それでも今まで染み付いた癖はなかなか抜けず、発音した後に気づくことも多々あります。
日本人にとっては/n/も/m/も/ŋ/も同じ「ん」ですが、英語話者にとっては全く別の音となります。単語として聴取してもらえないばかりか別の単語と聞き誤られてしまうこともあります。
rとlを気にして悩む日本人は多いですが、nも実は日本人には難しい発音だったのです。
練習あるのみ!ですね。
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